本記事では、『Final Fantasy XIV』を3,000時間ほどプレイした上で感じたゲーム性、そして全体の魅力や気になった点について、率直にお伝えします。
Patch5.0〜7.2の零式までをプレイしてきました。
結論から言えば、人口が多いからこそ成り立っているゲームで、個人的にはMMORPGというより「世界観を共有するSNS」だと感じています。
本レビューでは、率直にネガティブな意見も述べています。作品を批判したいわけではありませんが、ひとつの視点として読んでいただければ幸いです。
はじめに

「MMORPG おすすめ」と調べれば、まず間違いなく出てくるであろう定番中の定番『Final Fantasy XIV』。
国内外問わず圧倒的なアクティブプレイヤー数を誇り、現在もなお新規ユーザーを継続的に獲得し続けています。
国内ではまさに覇権MMOと呼べる存在であり、その人気ぶりは他のMMORPGの追随を許さないレベルです。
FF (Final Fantasy)という巨大IPに支えられたタイトルながら、そのシリーズを知らなくても楽しめる設計となっており、ストーリーも完全に独立しています。
私も歴代の『Final Fantasy』シリーズは全くプレイしていませんが、『FFXIV』は関係なく楽しめました。
ゲーム概要

タイトル | Final Fantasy XIV (FFXIV) |
---|---|
ジャンル | MMORPG / アクション |
発売日 | 2010年9月22日 |
料金体系 | 月額課金制 約1,500円 / 月 初期費用 約4,800円 (パッケージ価格) |
開発元 | Square Enix (スクウェア・エニックス) |
ファイナルファンタジーXIVは、壮大な”エオルゼア”という世界を舞台に、
ネットワークを通じて、世界中のプレイヤーと共に冒険ができる、FFシリーズ最新作です。
冒険は戦いだけではなく、アイテムの製作や、チョコボの育成など様々にあり、
その遊び方は冒険者であるあなた次第!
お馴染の召喚獣やモーグリ、飛空艇…… そして仲間たちが待つ、
新たなFFの世界に、さあ旅立ちましょう!

ゲームの特徴
ゲームの料金体系と課金要素
初期費用+月額制の買い切り型+追加DLC

「月額課金ゲーム」として知られていますが、実は初期費用+月額制の買い切り型+定額制。
とはいえ、嬉しいことにフリートライアルで遊べる範囲がかなり広く設定されているため、ゲームに合うか合わないかはここである程度は判断できます。
安価なSteamゲームに慣れているプレイヤーにとっては、フルプライス以上の金額+DLC追加購入は高額だと感じてしまいます。
P2W (Pay to Win) 要素はほとんど無し

高難易度コンテンツやPVPを含め、課金がプレイヤーの強さに影響することは一切ありません。
一部の課金アイテムには、移動の利便性や金策効率をわずかに高める効果がありますが、それらはプレイ体験を大きく左右するようなものではなく、あくまでもほんのわずかな快適性向上の範囲に留まります。
また、外見系の衣装や家具、マウントなどの類の一部は公式ストア専売ですが、こちらも有利不利に関わるものではありません。
戦闘コンテンツの傾向と問題
PvP要素は一応存在しますが、本作の中心はあくまでPvE。PvP目当てで選ぶには物足りない内容でしょう。
プレイ時間の差が出にくい設計

このゲーム最大の特徴は、「プレイ時間の長さで強さが決まらない」こと。
1日数十分の日課さえこなしていれば、プレイ時間が短くても最新コンテンツに参加できます。
ただし逆にいうと、装備集めやレベル上げのやりこみ感は薄く、成長の実感も乏しいです。
強くなっても敵の体力が増えるだけで、昔ながらの「狩って強くなるMMO」とは明確に異なります。
逆にいえば、狩りや装備強化などの要素が無い分やれることが少なく、目的のコンテンツの攻略後は自然とゲームから離れる流れになることも。
プレイスキル依存ではあるものの、キャリー的な爽快感は控えめ

4人や8人で挑む戦闘が基本になります。
ストーリーを楽しむだけであればこういった要素を意識することはまずありませんが、高難易度コンテンツに挑むとなると話は別です。
高難易度コンテンツでは、座学と記憶、反復練習が前提となり、不利な場面でのフィジカル的な個人技での打開(いわゆるキャリー)はほぼ不可能です。
以下は、Game8の高難易度コンテンツの解説記事です。
初めて見ると「何を言ってるのか全く分からない」と感じるかもしれませんが、実際のプレイでもこのようにあらかじめ決められた動きを正確に覚え、ロール(役割)ごとの行動を暗記し、動画で予習して挑むというのが基本スタイルになります。

確かに、「この人がいなきゃ勝てない、安定感が全然違う」というのは確実にあるのですが、それでも他のゲームに比べてかなり控えめで、目立ちにくいです。
装備を整えても「お、いつもより15秒も倒すのが早いな!!すごいな~!!」程度です。強くなった気もしなければ、爽快感もほとんど感じません。
自由な攻略というより、集団のマスゲーム的な正確さと反復練習の世界です。昔から、「大縄跳びMMO」 と揶揄されることも。
どれだけ上手いプレイヤーが集まっていても、一人の理解不足やミスによって全滅し続けます。
もし気を使わず遊べる7人の友人がすでにいるのであれば、これ以上ないほど快適に遊べるゲームになります。
ですが、そうでない場合はどうしても妥協してメンバーを集めるか、何かしら我慢を強いられることが多くなります。
FFXIVの醍醐味的な要素
ストーリーと世界観にハマれたら最高のゲーム

一般的に『FFXIV』は、ストーリーの完成度が非常に高いことで知られています。
Final Fantasyシリーズのファンはもちろん、ゲームの物語を重視するプレイヤーにとっては、最高のゲームと評されるほどことも多くあるほど。

世界観に沿った設定やアートワークも非常に完成度が高く、多くのプレイヤーを惹きつける要素のひとつです。
ですが、これに関しては個人的に少し思うところがあるため、記事の最後に改めて率直な感想として述べたいと思います。
SNS的な側面では間違いなく最高峰

MMORPGにはSNSのような側面が必ずありますが、その中でも『FFXIV』は群を抜いて充実しています。
キャラメイク、ファッション、ハウジング、エモートなどの非戦闘コンテンツがとにかく豊富で、ゲーム内外問わずのスクリーンショット投稿やプレイヤーイベントが盛んです。
本記事では戦闘コンテンツを中心に語っていますが、実際にはこうしたのんびり楽しむSNS的な側面こそがこのゲームの真骨頂と言えるでしょう。
私自身も『FFXIV』は累計3000時間ほどプレイしていますが、そのうち約2000時間は戦闘以外のコンテンツに費やしていました。
FC(フリーカンパニー)の運営や、ユーザーイベント、ファッションなど…とにかく人が多いので本当に何でも楽しめてしまうのが『FFXIV』のすごいところだと感じます。
こんな人におすすめ
特に「社会人ゲーマー」や「少ない時間でゆったり遊びたい人」、「ゲームが得意ではない」人にはおすすめできます。
逆に短期集中でガッツリ攻略していきたいタイプや、個人プレイで活躍したいタイプのプレイヤーには、価格相応とは言えずやや物足りないかもしれません。
まあ、それでもただ人口が多いゲームってだけでやる価値はあるんじゃないかな?
プレイ後の率直な感想
ストーリーを心から楽しめる人には最高かも?…
熱狂的なプレイヤーが多いのは事実ですが、正直なところ、なぜこれほどまで長年にわたって人気を保ち続けているのか、今も理解できません。
やはり国内における『Final Fantasy』というIPの持つ圧倒的なブランド力や、ストーリーの完成度を評価する声が多く、それらが理由なのだとは思います。

ただ、私自身にはどうしても刺さらず、どうにか楽しめないかと何度か見直してみたものの結果は変わりませんでした。会話のテンポや演出の古さが気になってしまい、最初から最後まで苦痛を感じ続けました。
例:キャラクターが90度回転 → 歩き出す → また90度回転 → 会話開始… → 続く
あまりにもストーリーが長いので、初期にはスキップするために追加の課金もしました。なぜ「見ない側」が課金しなければいけないのか?…
また、周囲には「ストーリーがすごいから絶対に見て!」としつこく勧められすぎて、むしろハードルが上がって序盤で離脱した人も何人も見てきました。(少なくとも10人近く)
MMORPGというよりは、世界観を共有したSNS

確かに、「MMORPG」は大人数で遊ぶロールプレイングゲームという意味なので、『FFXIV』もその定義にきっちり当てはまります。
とはいえ、もう古い考えなのかもしれませんが、私が思うMMORPGの「たくさん狩って、アイテムを集めて、強化して……」というような流れとは、かなり異なります。
正直なところ、このゲームを「MMORPG」とは呼びたくない気持ちが自分の中にあって、どちらかというと“世界観を共有したSNS”という呼び方のほうがしっくりきます。
それでも私が文句を言いながら3,000時間以上も続けてきたのは、きっとそのSNS的な魅力に惹かれ続けてきたからなのだと思います。
コメント