本記事では、『Tribes of Midgard』を25時間ほどプレイした上で感じたゲーム性、そして全体の魅力や気になった点について、率直にお伝えします。
はじめに

『Tribes of Midgard』は、北欧神話をモチーフにした協力型アクションサバイバルゲームです。
よくある見下ろし型サバイバルゲームのように見えますが、プレイしてみると「タワーディフェンス」や「ローグライク」、「ハクスラ」的な要素も混ざり合っており、ジャンル分けの難しい他にはない珍しいゲームデザインに驚きます。
ゲーム概要

タイトル | Tribes of Midgard (トライブス オブ ミッドガルド ) |
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ジャンル | サバイバル / アクション / ローグライク |
プレイ人数 | 1 ~ 10人 (オンライン) |
発売日 | 年月日(早期アクセス) |
日本語対応 | あり |
価格 (定価) | 4800円 |
総プレイ時間の目安 | 20時間 ~ |
Steamレビュー | やや好評 76% (16,944件) |
サバイバルとアクションRPGを融合させた、1~10人でプレイできるスリリングなゲーム! 伝説のアイテムや拠点をクラフトし、ランダム生成される世界で壮大な旅を繰り広げ、ラグナロクを到来させようとしている超巨大なヘルの化け物たちに立ち向かえ。ヴァルハラが待っているぞ、エインヘリャル!

評価 (4.0 / 5.0)
【評価: 】
ストレスの少ない操作性とバランス、他に類を見ない個性的なゲームモードもあり、長時間以上遊んでいても不満を感じない完成度の高さを感じました。
クリアまでの導線がしっかりしていて目的を見失いづらいため、「サバイバルゲームは何をしたらいいのかわからなくて苦手」という方にも強くおすすめできます。
セール時には500円ほどで購入できることもあり、価格以上の満足感は間違いなく得られるはずです。
もっと多くの人に遊んでほしい良作です。
ゲームの魅力と特徴
全く異なるプレイ体験を楽しめる2つのゲームモード


先ほども述べたように、『Tribes of Midgard』には「サーガモード」と「サバイバルモード」の2つのゲームモードがあります。
この2つは、どちらもメインのゲームモードと言えるほどのボリュームがあり、プレイヤーのスタイルや気分に応じて遊び分けることができます。
「サバイバル × タワーディフェンス」という珍しい組み合わせ
本作の「サーガモード」のゲームシステムは個性が強く、他のゲームとは全く異なる新鮮さがあります。
サーガモードは1ゲームごとに完結する遊び切り形式のモードで、1プレイはおおよそ30分~2時間ほど。マッチメイキングに対応しており、ほとんどの場合は海外のプレイヤーとマッチングします。
このモードでは、タワーディフェンス的な要素が非常に色濃く、ゲーム内の時間で4日ごとに訪れるホード(敵の大群の襲撃)から本拠地を守る必要があります。
限られた時間の中で、プレイヤー全員で探索、資源集め、防衛、装備強化などの役割を手分けしてこなす必要があり、サバイバルというよりも忙しめのタワーディフェンスのようなプレイ感が強く出ています。
爽快なローグライク&ハクスラ要素


ゲーム序盤は「木や石を集めてツールを作る」「その辺の弱い敵と苦労して戦う」といった、よくあるサバイバルゲームの展開です。
しかしゲームが進むにつれて、派手な武器スキルや装備の特性、多彩な技を持つ巨大ボスなどが多く登場し、一気にローグライク&ハクスラ寄りのプレイ感覚にシフトしていきます。
敵の種類や攻撃パターンも豊富で、装備集めやビルド構築の幅も広く、最後までストレスなく楽しめる難易度バランスです。
目的が分かりやすく、迷子にならずに遊べる安心設計

サバイバルゲームによくある「自分で目的を見つけて進めるタイプのゲーム」が苦手な方もいるかもしれません。私も、どちらかというとそのタイプです。
ですが、本作『Tribes of Midgard』では倒すべきボスモンスターや作るべき装備、進むべきエリアなどが明確に設計されており、プレイ中に「次に何をすればいいか分からない」と迷うことがありません。
とはいえ、クエストに縛られることもなく、自由な寄り道や探索も楽しめます。進行の導線がしっかりしているので、安心して遊べる安心感があります。
私は目的を決めて遊ぶのが苦手なので、導線がはっきりしているのはとても嬉しい..!!
ゲームの問題点
私自身は本作をかなり高く評価していますが、Steamでの評価は76%と賛否両論に近い結果になっています。
なぜそのような評価になっているのか、実際にプレイして感じた「気になる点」とともに考察してみます。
チュートリアルが不親切
目的を見失わないゲーム進行が本作の良いところだと何度も述べましたが、その反面、チュートリアルの不親切さが目立ちます。
ゲームに慣れている人であれば、ある程度の流れは直感的に理解できるかもしれませんが、そうでないプレイヤーにとっては戸惑う場面も多いはずです。
たとえば、操作説明は最低限あるものの、実際に何をすればよいのかが明示されていないため、序盤で迷いやすくなっています。
また、次に述べる「ゲームモードの説明不足」も、こうした不親切さの一例と言えるでしょう。
ゲームモードの説明が不足
初プレイ時、私は「サーガモード」が本作のメインモードだと勘違いし、いきなりマッチメイキングに参加させられ、どんなゲームかも理解しないうちにゲームオーバーになってしまいました。
このモードは、本来ある程度ゲームに慣れてから挑戦すべき経験者向けの難易度だと思うのですが、そうした説明がゲーム内ではほとんどされません。
そのため、初心者の多くが「自分には合わないゲームだった」と早々に離脱してしまったり、低評価をつけてしまう要因になっていると感じます。
「他プレイヤーと協力する経験者向けのモードです」といった表記や、まずはソロで遊べるサバイバルモードを推奨する案内があれば、初見時の印象は大きく変わったのではないでしょうか。
実際、私も初めてプレイした時には「なんか思ってたのと違った……こういうゲームなの?」と、ゲームを投げだしそうになりました。
マッチメイキング時のコミュニケーションが難しい
「サーガモード」では、基本的に海外プレイヤーとマッチメイキングが行われます。英語以外の言語もよく使われるため、意思疎通が難しいと感じる場面が多々ありました。
さらに、ドロップアイテムの多くは取得権が共有されていないため、特定のプレイヤーがアイテムを独占する場面も頻繁に見られました。チーム全体で共有の倉庫内アイテムを無断で使われることもあり、野良プレイでは楽しむことが難しかったです。
ソロプレイやフレンドとのプライベートマッチも用意されているものの、ゲーム内での説明や案内は不足しており、ここでもプレイヤーを失ってしまっているのではないかと感じます。
最初は私も、このゲームにはマッチメイキングしかないのだと最初は思ってしまいました。
プレイ後の率直な感想
2つの大きなゲームモードがありますが、どちらもメインコンテンツ級のボリュームとバランスです。
私はサバイバルモードを中心に、合計で約30時間ほどプレイしました。
サーガモード

初めて『Tribes of Midgard』をプレイした際、私はこの「サーガモード」がメインのゲームモードだと思い込み、何も分からないままプレイしてしまいました。
マッチメイキングでは海外のプレイヤーと組むことになり、ゲームの目的どころか、最初に作るべきツールすら分からないまま放り出され、気づけばゲームオーバーです。
今思えば、「サーガモード」はある程度システムに慣れたプレイヤー向けのコンテンツであり、まずは「サバイバルモード」で基本を学んでから挑戦するのが前提のモードなのでしょうね。
初プレイ時の苦い思い出もあってか、このモードはあまり好きじゃありません。
サバイバルモード

サーガモードの後にプレイ。
当初はサブコンテンツかと思いやるのを渋っていたのですが、個人的にはこちらの方がより楽しめました。寄り道せず、一通りクリアするまでにかかった時間は20時間ほど。(実績の解除は除く)
友人と休日2日間をぶっ通しでクリアまでプレイし続けてしまいました。
アクションやクラフトの要素が意外にもしっかりしており、敵も自分も段階的に強くなっていくゲームバランスから、始終新鮮な気持ちで楽しむことができました。
最初は「木や石を集めてツールを作り、拠点を発展させていく」というサバイバルゲームにありがちな展開かと思っていたのですが、中盤以降には、装備や特性のビルドを考えるハクスラ的な楽しさが加わります。
目的がはっきりしていて導線も分かりやすく、プレイ中に退屈したりストレスを感じる場面もありません。
正直特筆することはあまり無いのですが……純粋にゲームの出来が良く、最後まで飽きることなく楽しめました。
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