【レビュー】『Throne and Liberty』MMORPG時代の再来となるか? - GameRoamer

【レビュー】『Throne and Liberty』MMORPG時代の再来となるか?

ゲーム/レビュー

Throne and Liberty(スローンアンドリバティー)を1カ月弱(200時間程)プレイした段階でのゲームレビュー記事です。

筆者は同じMMORPGジャンルとしてFFXIV,黒い砂漠を合計で1万時間程プレイしています。基本的にこの2つのゲームと比較してレビューしています。

基本情報

タイトルThrone and Liberty
ジャンルオープンワールドMMORPG
プラットフォームPS5,Xbox,PC
リリース日2024年9月26日
価格基本プレイ無料
開発会社NCSoft

『Throne and liberty』は『リネージュ』、『ブレイドアンドソウル』、『アイオン』シリーズ等を手掛ける韓国のゲーム開発会社NCSoftとAmazon Gamesが2024年9月26日に公開したオープンワールドのMMORPGです。

かつては『リネージュ』シリーズの続編『Lineage Eternal』として発表されていましたが、開発の見直しを経て現在の形になり『Throne and liberty』へと改名されました。

簡単なレビュー

最高峰のグラフィックとオープンワールド、ビルド自由度の高さが売りのPVPに焦点を合わせたMMORPGです。リリース直後ではありますが、近年公開されたMMORPGの中でも屈指の人気を誇っています。

FFXIVのようなターゲッティング戦闘+黒い砂漠のようなリアル調グラフィック+韓国産スマホMMORPGの大規模戦闘を足した雰囲気のゲームだと感じました。

「昔ながらのMMORPG」と評されることも有り手探りでの攻略の楽しさは魅力的ですが、それを上回るほどにゲーム側のシステム面の説明不足が分かりづらさ、不便さが目立ちます。

ゲームのシステムが海外仕様であり何をするにもPVPに繋がるうえに、海外プレイヤーと常に一緒にプレイする必要があります。日本ではPVPやPKが盛んなMMORPGは流行りづらいですが、このゲームもそれに当てはまるかもしれません。

Steamレビューでは賛否両論~やや好評の間です
(68%~72%の好評)

私の場合は100時間程まではかなり楽しめていたのですが、エンドコンテンツに触れ始めてから少しずつ飽きてきてしまいました。ネガティブな意見を多く含むため、記事終盤に詳しい感想をまとめています。

ゲームの特徴

PVPに焦点を合わせたゲーム設計

大規模戦闘がメインのゲームシステム

PVP(特に大規模戦闘)に焦点を大きく合わせたゲーム設計になっている為、PKやPVP、ギルド間戦争やフィールドイベントの独占が殆どの場所や場面で行われています。

コンテンツ量は少なくはないですが、8割~9割がPVPに関連しています。

最近のゲームは大体そうとも言えますが、ギルドへの加入が必須であり、強いギルドに加入できるとかなり有利に進める事が出来ます。

どのコンテンツも協力が必須

PVE,PVPどちらも他のプレイヤーとの協力プレイが必須になります。ID攻略は勿論、フィールドやダンジョン内での狩りすら1人では満足に狩れません。

無言で申請して無言で抜けるのが当たり前なので特に気にすることは無いですが、完全にソロでプレイするのは厳しいかもしれません。

生活コンテンツ

生活コンテンツ(釣り、料理、錬金)は3つ有りますが、いずれも戦闘用バフアイテムを集めるために存在している印象です。生活コンテンツ自体の楽しさや拡張性は現状感じられませんでした。

複数の国と共通のサーバー

日本ではオセアニアと共通のサーバーでプレイすることになるため、ゲーム内イベントの開催日時やデイリー更新時間は海外基準になっています。

日本人はプレイヤー全体数から見ると少なく、海外プレイヤーが多いため意思疎通面で不便があるかもしれません。(自動翻訳機能も有りますが完璧ではありません。)

大規模戦闘に焦点を合わせているのでギルド単位での人数や戦力が肝となりますが、トップは海外ギルドが殆どを占めているというサーバーも多いです。

主要コンテンツはスタミナ制

Throne and libertyではID攻略と狩りの両方で装備や自身を強化するためのアイテムを獲得していくことになりますが、そのどちらの方法でもソシャゲで言うスタミナ制に近いものが採用されています。

(毎日3回分のID挑戦権、美味しいモンスターを狩れるポイントが貰える感じです。)

日課分の権利やポイントを消費した後は効率の悪い状態でのプレイをすることになります。

理論上は時間が多く費やせるほど有利ではありますが、日課ポイントの消化ですら結構時間がかかります。クリア済みのIDを周回するのは苦しく、すでにポイントが溢れている人も多いです。

日課分をこなしてさえいればプレイ出来る時間が少なくても差をつけられにくいので、今の時代に適応したゲームという気がしますね。

PayToWin(課金)要素は少なめ

装備ガチャや課金アイテムの類は殆ど無く、無課金でも課金通貨を取引所のアイテム売買で入手できるため、課金で差がつく要素は最近の韓国産MMORPGと比較すると少な目とは言えるかもしれません。

(強化素材やアイテムを貰える有料バトルパスが有るが、ゲーム内で少し金策をすれば買える程度)

非常にレアで1つ数万円相当~のアイテムも存在するため、無課金でも一攫千金の夢もあります。

良かった点

MMORPG史上最高のグラフィック

私がプレイしてきたMMORPGの中で最高のグラフィックで、特に景色やフィールドの画質クオリティが頭抜けて高いです。

リアル系グラフィックのMMORPGでは黒い砂漠が最高かと思ってましたが、それに匹敵するかそれ以上に綺麗だと感じました。

普段はゲーム内の景色を見たり写真を撮ることは無いのですが、綺麗なので足を止めて景色を見たり写真を撮影してしまいました。

乗り物の代わりになる「モーフ」

MMORPGではマウントやライド、ペットが課金要素として登場し、それぞれに戦闘で有利になるような効果が設定されていることが多いです。

Throne and libertyでは、これらの代わりに「モーフ」という機能があり、ダッシュ時に自動で変身します。コンプリート要素は有りますが、戦闘力に直接つながる要素ではありません。

自然に動物の姿に変身する姿は斬新で幻想的です!

ストーリーの読み上げ機能

私はストーリーは基本全部スキップしているので内容に関しては省略しますが、それに関連するシステムが非常に優れていると感じたので紹介します。

このゲームではストーリー(吹き出しの会話やムービー)を要約してボイスで読み上げてくれるので、移動したり敵と戦っていても物語を大体理解して楽しむことができます。

(Witcher3のナレーションのような感じ)

すべてのゲームでストーリーをほぼ見ず、メインクエストを苦痛に感じている私にとってはかなり素晴らしいシステムでした。このシステムが全てのMMORPGで採用されてほしい!!

問題点

PVEの仕様

モンスターの敵視が取りづらすぎる

他のゲーム同様、このゲームにも敵視(モンスターが誰を攻撃するか)が存在し、基本的には最も耐久力の高いタンクが引き受けるものです。

タンクは敵視を強制的に上昇スキルをいくつか持っていますが、そのスキルは数個程度しか無いうえにCDが長く(20秒~35秒程)、範囲も通常攻撃より少し広い程度しかありません。驚くほど狭いです。

そして、ヒールやダメージでの敵視上昇値もかなり高いので敵視上昇スキルを使っているタンクよりも他のロールに敵が寄っていきやすいです。

どんどん散っていく敵、狭すぎる範囲スキル、長すぎるCD、他のMMORPGであるような狩りの楽しさは全く感じられません。

まとめ狩りも快適に行えないのでかなりストレスがたまります。

モンスターのアイテムドロップ権利

モンスターからのアイテムのドロップ権利はダメージを最も与えたプレイヤーやパーティーではなく、「一番最初にモンスターに感知された人」です。

人が多い狩場では、チームメンバー全員で違う方向に走って敵が湧いた瞬間に感知させるために走り回ることを強制させられます。

ドロップ権を得たソロプレイヤーに敵を擦り付けられ、倒してもドロップ権利はそのソロプレイヤーのものになるといったことが頻繁に起こります。やりすぎなシステムだと思いました。

IDでのトラブル

このゲームではタンク、ダメージ、ヒールの3つのロールが有ります。

ダンジョン参加時には自身のロールを選択してマッチメイキングするのですが、これらのロールは完全に自己申告型です。

どういう事かというと、極端な例ではヒーラーがタンクとしてマッチに参加できたりします。これではまともに攻略できません。

また、途中抜けにペナルティが一切ないため、ギミックを理解していなかったり装備が弱いプレイヤーがいるとすぐに抜けるという行為も良く見られます。

最近は追加報酬の得られるランダムマッチという機能も実装されましたが、こちらも途中抜けペナルティが一切無いので自分が行きたいダンジョンを引くまで即抜けを繰り返す問題も起きています。

ゲーム内での説明不足

ゲーム内での説明がかなり不足しており、武器の制作や強化に関連するような基本的な事すら調べたり質問しなければ解決しないようなことが多いです。

また、日本語のサイトや情報が少なくどうしても海外のサイトを見に行く必がも有ります。

ビルドや敵モンスター、フィールドの隠しアイテムやロケーションなどの手探り感は面白いですが、基本的なシステムの説明は公式でしっかり用意されているべきだと思いました。

ゲーム内の情報だけでは分かりづらい事の一例

感想

私がハマれなかった理由

最初こそ最初こそグラフィック、モーション、エフェクトの美麗さの新鮮さだけで楽しめたのですが、それより先に行くと問題点であげた不便さが目立ってきました。

「昔ながらのMMORPG」と評価される事も多いようですが、私はそうは感じませんでした。

情報やガイドの少なさからくる「手探り感&不便さ」がそれを思い出させているだけであり、実際には狩りやダンジョンにデイリー制限がある日課をこなすソシャゲに近い印象を受けてしまいました。

大規模戦闘に焦点を当てたという事で仕方は無いのですが、大手ギルド連盟の占領やPKが多すぎて参加出来ないイベントも多いです。個人的にPVPやPKはゲームに必要だと思い賛成派ではあったのですが、サーバーによってはこの差が圧倒的過ぎるのかもしれませんね。

また、敵視がとりづらい狩りの不便さを述べましたが、元々このゲームはオート戦闘要素があり実装直前に削除した過去があるようです。確かにオート戦闘が有るならこのシステムでも問題無かったのかな…操作性の面でもオート戦闘を基準にしたのかな、という瞬間を多く感じました。

終わり

執筆時点ではサービス1カ月であり、このゲームの醍醐味と言われている大規模GvGや高難易度協力コンテンツは未実装なのでこれからが面白くなるのだと思います。ロードマップは公式サイトから確認できますが、今年中にはメインコンテンツが殆ど実装されるとの事なので今後に期待しています。

執筆時点でゲームへのモチベーションが減っていてネガティブな事を多く書いてしまいましたが、ここまで読んで下さりありがとうございます。

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