はじめに
本作『オートローグ(Auto Rogue)は、日本の個人ゲーム開発者『定期的な宝物』氏による作品で、プログラミングのようなシステムを取り入れた新感覚の自動化ローグライクゲームです。
とはいえ、タイトルや紹介から想像できる、いわゆる「放置ゲーム」とは異なり、手動での操作が多いので注意が必要です。
ゲーム概要

タイトル | オートローグ(Auto Rogue) |
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ジャンル | ローグライク / オートバトル |
プレイ人数 | 1人 |
発売日 | 2025年5月28日 |
日本語対応 | あり |
価格(定価) | 690円 |
Steamレビュー(執筆時) | 非常に好評 93% (335件) |
『オートローグ』は、キャラクターの行動をすべて自動化して戦わせる、「プログラミング風」ビルド構築型ローグライクゲームです。忙しい操作は一切なく、ビルドを構築しオートバトルを眺めるだけ。
プレイヤーは入手したスキル、条件分岐(if)、パッシブ効果を自由に組み合わせ、理想の戦闘プログラムを組み上げます。

評価 (3.5 / 5.0)
【評価: 】
斬新で一見複雑に見えるゲームシステムですが、実際に触れてみると意外と分かりやすく、試行錯誤してビルドを模索する楽しさがあります。
特に、理想的なビルドや反則級のシナジーを発見し、それが狙い通りにハマったときの「ズルしている」ような感覚はとても気持ち良いです。
一方で、現時点ではコンテンツ量やゲームバランスの粗さが目立ちます。
特に気になるのは「オートバトル」を謳っていながら、その戦闘を眺めて楽しむ機会が殆ど無い点です。
敵ごとに毎回手動でスキル構成を見直す必要があり、さらに戦闘の結果が戦う前から100%正確にわかるので、オートバトルの要素を楽しむ場面がほとんど存在しません。
とはいえ、システム自体は非常に魅力的で、今後のアップデート次第では大き化ける可能性を感じます。
プレイ後の感想

事前情報なしで購入しプレイを開始し、最初は放置ゲームかと思って期待を寄せていました。
しかし、少し触るとプログラム的なシステムを採用したターン制のバトルだとわかりました。
正直、最初は「複雑なシステムで理解が面倒なタイプかな」と思ってしまったのですが、実際にプレイすると意外にとっつきやすいです。いつの間にか4時間ほど遊んでいました。
ゲーム内の用語やシステムにはすべて丁寧なツールチップがついていて、突然出てくるゲーム内の単語やシステムにプレイヤーが置いて行かれないように配慮して作られているのが素晴らしいです。
ゲームバランスやボリュームにおいて、現時点で気になる点は多々ありますが、今後のアップデートで大きく化ける可能性を感じます。
やっと理想ビルドが完成してきた位の頃にラスボスが来て終わってしまうのが悲しい
ゲームの魅力と特徴
プログラミングのような新感覚システム

スキルや条件分岐を組み合わせて構築する戦闘システムは、まるで簡易的なプログラミングツールのような感覚で新鮮でした。
じっくり考えて設計した挙動が想定通りに動き、敵をスムーズに倒せたときはとても気持ち良いです。
ただし、現時点では多数用意された分岐条件の多くが活かされておらず、ほとんどを使わずに攻略できてしまうのは少し惜しいところです。今後のバランス調整や追加要素に期待したい点でもあります。
シンプルなUIと丁寧なツールチップ

ゲームのUIはとてもシンプルで、タイトル画面では難易度を選ぶ以外のボタンは存在しません。
チュートリアルもゲーム中に表示される吹き出しのみと最小限に抑えられていますが、ゲーム内のあらゆる用語に丁寧なツールチップが用意されており、プレイヤーが置いていかれないよう、配慮されて作られているように感じました。
とはいえ、2体目にアンロックされる魔術師キャラクターは独自の要素が多く、私には理解するのが難しかったです。一度クリアした後は、使い慣れた初期キャラばかりを使用してしまいました。
残念ながら「オートバトル」を楽しむ機会はなかった
残念ながら、当初求めていた「オートバトル」を眺める楽しさをプレイ中に感じる機会はありませんでした。
戦う前から戦闘結果がわかるので、戦闘を眺める機会が全くない

本作は「オートバトル」を謳っていますが、戦闘前に勝敗や経過ターン数、被ダメージ量までもが100%正確に表示されるため、戦闘を眺めるという楽しみ方をする機会はほとんど存在しませんでした。
さらに敵ごとに特性が大きく異なる(それぞれに倒し方のチュートリアルがあるほど)ので、毎回スキル構成を戦闘前に手動で調整する必要があります。
「ビルドを組んで放置し、自動戦闘を眺める」というコンセプトとは真逆の設計に感じます。
どう足掻いても勝てない「持ち物検査」のような敵が頻出


進行中、どう足掻いても勝てないような「特定対策が必須」の敵に頻繁に遭遇します。
例えば、「プレイヤーが獲得したシールドをそのまま獲得し攻撃力に変換する敵」が登場します。「自分のシールドをひたすら増やし続けるビルド」に進んでいるときに遭遇すると終わりです。
このような、自分のビルドが完全に逆効果になるような特性を持つ敵が何体もいるので、遭遇した時に対策アイテムを入手できていない場合にはリタイアせざるを得ません。
そして、やっと運ゲーの「持ち物検査」を突破できた途端、今度は逆に簡単すぎる戦闘が続きます。
基本的に火力全振りの短期決戦になります。詰み要素が多く、何度もタイトル画面からやり直すことになります。
あとがき
勝手ながら気になった点をいくつか挙げさせていただきました。
いずれも今後のアップデートで大きく改善される可能性を感じています。
今後、さらに遊びやすくなり、コンテンツ量、バランス面が充実していくのを楽しみにしています。
体験版もあります。興味の湧いた方は是非遊んでみてください。

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