はじめに

今月中に公開が予定されているARKの新マップDLC『Aquatica』ですが、6月に入った現在でも公式のトレーラー(Trailer)は存在していません。(※厳密には公開後に削除)
なぜまだ公式なトレイラーがないのか?その背景には、ある騒動が関係していました。
AIトレーラー騒動の概要
AI生成による映像の公開
2025年3月、GDC(Game Developers Conference)の前夜祭イベントにて、パブリッシャーのSnail GamesがARK: Survival Evolved(以下、ARK)の10周年を記念する新マップDLC『Aquatica』を発表しました。
しかし、公開された約70秒のトレーラー映像は、AI生成による不自然なCGIシーンが多く含まれており、ファンやゲームコミュニティから批判が殺到しました。
映像の内容と問題点

トレーラーには、6本腕のタコや足がヒレのようになったキャラクターなど、AI独特の不自然な表現が多数見られました。
また、ナレーションすらもAIによるもので、10周年記念の公式動画とは思えない軽薄な印象を与えます。
動画内では、新DLCの具体的な内容紹介どころか実際のゲーム内の映像も殆どありませんでした。
ファンの反応

YouTubeでは、公開直後に7,000件以上の「低評価」がつき、コメント欄には非難が殺到しました。
RedditやDiscordなどのコミュニティでも、「まるでサブノーティカ(Subnautica)のパチモン映像だ」「コラージュの手抜きだ」といった声が相次いでいます。
私も、最初にあの映像を見たとき、「これは公式のものではないだろう」と確信しました。
開発元の対応と声明
Studio Wildcardの立場
こうした批判を受けて、ARK本編の開発元であるStudio Wildcardは公式SNSで対応を表明しました。
彼らは『Aquatica』はSnail Games USA(コロラド州)による開発であり、Studio Wildcard自身はARK: Survival AscendedやARK2の制作に専念していると説明しています。
公式X(旧Twitter)では「ARK: AquaticaはSnail Games USA Coloradoが開発中です。更新情報はそちらをご覧ください」「Studio WildcardはARK: Survival AscendedとARK2の制作に専念しており、今年後半にはARK: Lost Colonyをお届けする予定です」と投稿されています。
Snail Gamesの釈明
Snail Games側の開発スタッフも、「マーケティング部門が手持ちの静止画からAI生成動画を作ったもので、開発チームはその計画を知らなかった」と釈明しています。
また、Snail Gamesは『Aquatica』本体の開発にAIツールは使用しておらず、完成版は今回のトレーラーとはまったく異なるものになると伝えました。
ただし、Snail Gamesからの公式な謝罪や詳細な説明は現時点では出ておらず、騒動収束には至っていません。
おわりに

ARKの10周年という節目に登場するはずだった新DLC『Aquatica』に、多くのファンが大きな期待を寄せていたからこそ、AI生成トレーラーによる失望と混乱は深刻だと思います。
私自身もARKには深い思い出があり、10周年と新マップ『Aquatica』には期待を寄せていました。今後リリースが遅れたり、コンテンツ内容が縮小されるのではないかと危惧しています。
それでも、トレーラーとは別に開発チームが本気で作り込んでいることを信じて、正式なトレーラーの公開とDLCの配信を心待ちにしています。
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