本記事では、50時間ほど『Barotrauma』をプレイした上で感じたゲーム性、そして全体の魅力や気になった点について、率直にお伝えします。
はじめに
『Subnautica』や『Sea of Thieves』のような海の怖さを直接感じられるホラー、かつ協力(Coop)ゲームを探している所このゲーム『Barotrauma』を発見しました。
海をテーマにしたホラーゲームといえば『Subnautica』が有名ですが、本作もそれに匹敵するほどの深海ならではの恐怖と絶望感を味わえます。
本作のタイトルになっている『Barotrauma』という言葉は、日本語で「圧力差により体内の組織や器官が損傷する現象」を指します。ゲーム内でも、水圧によるこの症状が多くの死因となっています。
ゲーム概要

タイトル | Barotrauma |
---|---|
ジャンル | シミュレーション / サバイバル |
プレイ人数 | 1 ~ 16人(オンライン) |
MOD対応 | あり(Steam Workshop対応) |
発売日 | 2023年3月13日(正式版) |
日本語対応 | あり |
価格 (定価) | 4800円 |
総プレイ時間の目安 | ~ 100時間 |
Steamレビュー | 非常に好評 94% (51,959件) |
『Barotrauma』は、宇宙サバイバルホラー・潜水艦シュミレーターにRPG要素を加えたの2D協力ゲームです。
潜水艦を操作して、ミッションをクリアし、モンスターと戦い、リークを修復して、機械を操作して、銃を使い、アイテムをクラフトします。油断は禁物です:ここでは危険の通知というものが存在しません!
『Barotrauma』は、『FTL: Faster Than Light』、『Rimworld』、『Dwarf Fortress』、『Space Station 13』などのゲームから影響を受けた、ホラー潜水艦シュミレーターの2D協力ゲームです。ラグドール物理、エイリアンと海のモンスター、チームワーク、実存恐怖が巧妙に混在するSFゲームです。

評価 (4.5 / 5.0)
【評価: 】
プレイヤー同士の連携と混乱が楽しい個性ある良作です。
ダークな雰囲気と深海の未知が合わさり、2Dながらもまるでホラーゲームのような緊張感を感じます。
潜水艦を維持するクルーとしての職業や役割がしっかりしており、ただ無事に目的地へ移動するのも一苦労。
最低5人の人数集めと初見の難しさはあるものの、それを乗り越えた先には中毒性の高いゲーム体験が待っています。
深海の脅威に挑むうえで、失敗からプレイヤー自身の成長を感じられる要素も魅力的です。
ゲームの魅力と特徴
豊富なランダムイベント

プレイ中に多くのランダムイベントが発生するのがこのゲームの大きな魅力の1つです。
補給の為に立ち寄った基地も、潜航中にも何が起きるかは分かりません。
カルト的な宗教団体から危険な依頼を頼まれたり、警察から持物検査をされたり、安全だと思っていた捕虜が暴走したり、ある筈のないバッグが艦内に設置されていたり…
何十時間プレイしても、見たことがないものや特殊な条件でのイベントが発生します。
失敗から学ぶ脅威への対策

何の前触れもなく登場する未知の敵や環境、ウィルス等に初見で対応する事は難しく、平和で順調に進んでいたにも関わらず、数分後には全滅している事が多々あります。このパニックと絶望感を味わえるゲームは中々ないでしょう。
最低限必要な役職のチュートリアルは公式で提供作されているものの、実際に危機に遭遇した場合の対応は経験して学ぶしかありません。
プレイヤー自身の成長とチームとの連携力アップを実感できるのが面白いです。
重要な役職と仲間との連携

プレイヤーは艦長、警備員、医者、技師、整備士の5つの職業から役職を選択します。
Barotraumaではゲーム開始時に選択した役職に応じてその分野のステータスポイントが高く設定されており、それによって効率的にその仕事をこなすことが可能となっています。
つまり、艦長が死亡している時などの緊急時には、操縦適正の少ない医師でも潜水艦を操縦する必要があるかもしれません。
役職 | 主な仕事 |
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艦長 | 潜水艦の操縦、クルーへの指示や情報伝達 |
警備員 | 艦内外の敵の討伐、武器や弾薬の補充 |
医師 | クルーの健康管理、治療、医薬品の補充 |
技師 | 機械設備の修理や原子炉の維持管理 |
整備士 | 潜水艦の修理(浸水等) |
助手 (状況に応じて) | 全てに適正があるが能力値は低め |
このうち1つでも役職が欠けると艦内はパニック状態になり、簡単に全滅してしまう程のシビアな難易度設定が特に面白いです。(船長&警備員&医師は特に重要)
艦長がソナーで周囲の敵や障害物、破損した部屋を確認して無線で報告→警備員が砲台で敵を迎撃したり船内での戦闘準備を行う→技師や整備士が敵に攻撃された部屋を直す→怪我した船員を医師が治す…
最も簡単な難易度設定ですら、船員が一人欠けるだけで沈没の危機に陥ることが多々ありました。
例として私のプレイする医師の仕様を一部紹介

画像のようにプレイヤーの受けるダメージは部位ごとに存在しており、病気の種類や症状もかなり多いです。
症状や状況ごとに適切な薬品を処方し、緊急時には患者を安全な場所まで運んで酸素を送ったり心肺蘇生をします。
また、常に薬品の在庫を切らさないように調達、調合し万事に備えておくのも医師の仕事です。
100時間以上のやり込み要素
開発者のゲームへの愛とオタク度合いを強く感じる(良い意味)多すぎるコンテンツ量により、数百時間以上すら遊べる可能性を感じられます。特に潜水艦エディタがヤバイ。
選べるゲームモード
バニラ状態ではPVP、人狼(トレイター)、キャンペーンの3つの主なゲームモードが用意されており、それぞれ細かくゲームバランスを調整可能。バランス設定を変更するだけで全く別のゲーム性になりえます。
豊富なコンテンツ量
ゲームモードやオンライン要素を考えずとも、ゲーム中にエンカウントする敵、NPC、仕様、イベント等の純粋なコンテンツ量が滅茶苦茶多いです。
潜水艦ごとの設備や使用感違いも大きく、せっかく強い潜水艦を購入しても艦長の指示が上手く回らず、部屋の場所を覚えている初期の船の方がマシなんてこともありました。
筆者は現時点でキャンペーンモードをマルチプレイで50時間プレイしていますが、恐らくこのモードのゲーム進行度は30%前後です。
まだまだ未知の事象との遭遇ばかりで、簡単に見積もっても最低100時間は遊べるように感じられます。
潜水艦エディタ&MOD(SteamWorkShop)

Barotraumaではなんとオリジナルの潜水艦を数百個以上のパーツから作ることができ、それをSteamWorkShopからMODとして読み込む事で実際にゲーム中に使用する事が可能。
電気回路や機械設備の仕様や動作も細かく設定でき、自分好みの浪漫溢れる潜水艦を作ることができます。(もし、あなたがこのゲームに詳しいなら……)
プレイ後の率直な感想
初見でのハードルが高い
正直、最初にストア画面やプレイ画面を見たときは、「このゲーム、本当に面白いのか?…それに価格も高めだな」と感じ、なかなかプレイする気になれませんでした。
さらに、実際に始めてみると操作やルールが複雑で、「一体何が面白いのだろう?」と戸惑うことも多かったです。
しかし、慣れてくるにつれて、このゲームならではの深海の恐怖感や、チームでの連携プレイの面白さがしっかりと見えてきました。
プレイ動画やムービーでは伝わりにくい部分もありますが、今では、「少しでも興味を持った人にはぜひプレイしてほしい!」と、自信を持っておすすめできます。
一緒に遊ぶ友達を集めるのが一番の難所
最低限それぞれの役割を一人担当するには、最低5人のプレイヤーを集める必要があり、価格も相まってややハードルが高いです。
4人以下やシングルでのプレイ時には空いている役職にAI(CPU)を入れる事になりますが、挙動はあまり良い物ではないとの事です。4人以下のプレイではここまで高い評価にはならないかもしれません。
キャンペーンのクリアに100時間ほどかかるみたいです。
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